戦前の豊かな日本、昭和の成長を感じる頃、
大阪千日前にある第一楼で、調理を担当していました。
当時大繁盛の店舗では、料理人が休むこともできず、
同じ味を出すには、
同じ料理人でなくてはというのが悩みでした。
職人とて人間であり、日々の体調などに左右されてしまう。
しかし、お客様はいつも同じ味を求めにくる。
お客様へいつもおいしい中華を食べていただくには、
どうしたらいいのかと考えたのが先代の落社長でした。
奇しくも、先代は生粋の料理人という気質でなかったため、
自由な発想と自由な考えができ、料理人とも相談して、
日々改良を加えて、やがて完成した万能調味料こそが、
この中華の素になるのです。
こうして、誕生した中華の素は、
多くの日本人の口に合う味にと変わり、
やがで日本の中華の味付けの原点にもなっていきます。
本格的な中華を、おいしく簡単に、そして誰でも作れる。
先代が目指したのは、
美味しい中華料理だったのだと感じています。
開発は、いろいろと困難を極めました。
ガーリックを粉末にする機械などなく、
天日に干しては、粉にすりおろしパウダーにしていきます。
何度も何度も加工を繰り返しては、
その味を料理人とともに再現すべく、研究と挑戦を繰り返します。
だからこそ、こだわったのは天然の調味料。
本来の味わいと誰にも真似できない風味は、
先代の丁寧なまでに無骨なやり方から生まれたのです。
Copyright © keiun 2024